Long stay research – Kamiyama 1

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長期滞在視察 – 神山町篇 その1

 ミラクルな出来事から1ヶ月。今日までの1ヶ月でいろんなことが次々に決まりました。前回「奇跡的な出逢い」で、いきなりキーマンとしかも直接お話しできたことで、「移住」というものが急に現実味を帯びてきました。今回は移住する前の前の心構えについて考えてみようと思います。

 まず、この1ヶ月で決まったことを発表します!

神山に1ヶ月間、長期滞在をします!

 まぁ、そのために動いてたわけですから、当然の流れではありますが、「移住」って口走ってから、こんなに短期間に凄い行動力って周りは驚いています。
 
 実は前回、NPOの代表と東京でお逢いしたとき、代表はこんな話をしてくれました。

僕らは所謂「誘致」はしない。
神山に来てくださいとは言いません。
来たい人が自分の意思をもって、それなりの覚悟をもって来てくれるんだったら、それは大いに歓迎します。

 つまり、神山町としては、単純に人口を増やして限界集落を抜け出そうという、安易な考えでこのプロジェクトを推進している訳じゃないってことです。だから、頭を下げて来てもらうという従来型の企業誘致ではないし、神山町に根差して、住民と共に町を活性化してくれる人材を求めているということが、その言葉の端々に伺うことが出来ました。

 また、続けてこうも言っていました。

正直言って、サテライトオフィスが上手くいくかどうかは僕らには判りません。
勿論協力できることは協力しますが、東京のようには行かないでしょう。
でも、無理はしないでください。
サテライトオフィスを建てるために、或いは維持するために借金をしたり、本来の路線から外れたりせずに、無理だと思ったら、どうぞお帰り下さい。

それをを踏まえた上で、神山に興味がおありでしたら、是非一度、神山を見に来てください。

 それだけ厳しい現実があるということなんだと理解しました。きっと、いろんなところでいろんな人と話したり、メディアに取り上げられて問い合わせも増えてるので、ハードルが下がった分、質も下がってきてるんだろうなぁと容易に想像できます。

 元より覚悟はもうできていましたし、話や情報を周りから見聞きしてもピンときませんので、僕はこう答えました。

覚悟は既にできていますが、いろんな話や情報を見聞きしているだけでは判断出来ませんので、神山町が実際にメディアで言われてる様な働きやすい環境なのかどうかを試してみたいと思っています。
それも1日,2日では、旅行気分で終わってしまいますので、2週間以上滞在して、実際に仕事が可能かどうかを体験させてください。

 こういう話をNPOの代表と事前にしていました。

 幸い、神山町にはサテライトオフィスや移住者の体験目的用途の「お試しハウス」があるそうなので、宿の心配はなさそうです。

 さて、それで前回から1ヶ月、どんな話を詰めていたかといいますと、すごい田舎で最近1つ、コンビニが出来たという環境で、公共交通機関はバスしかないということなのでさぁ、どうしたものかといろいろと相談をしていたわけです。

 恐らく、公共交通機関が発達していない山の中であれば、どの地域でも似たような心配があると思うので、以下のような点を確認して、対策をしておいた方がいいと思います。

  1. 体験用宿泊施設
  2. お金に余裕があるリッチな方は問題にならないでしょうけど、流石に長期滞在で民間の宿泊施設に連泊するとなると、素泊まりのプランでも結構な出費になりますので、移住者やサテライトオフィスの視察用宿泊施設があるかないかを確認しましょう。なかった場合、空き家やアパートなどのショートステイ契約が可能な物件があるかどうかを探してみてください。

  3. 宿泊設備
  4. 体験用の宿泊施設は基本的にはセルフですので、調理スペースや食器類、冷蔵庫や掃除機、洗濯機などの設備、シャンプーやせっけんなどのアメニティ布団やベッドなどのほか、僕の場合はネット環境を重視します。持っていったり買わなければいけないものを用意していかないと、泣きを見ることがありますので事前にチェックしておいてください。

  5. アクセス
  6. 最寄りのターミナル(空港や駅)からのアクセス方法、滞在する周辺のアクセス状況を事前に確認して置かないと、折角、田舎体験をするべき大切な時間を宿で引き篭もることになったり、行動を制限されて詰まらない時間を過ごすことになります。また、当然レンタカーなどないケースが多く、仮にレンタカーがあったとしても相当な出費になりますので、事前の対策が必要です。車で現地入りできれば一番理想的です。

  7. アテンド
  8. まったく縁も所縁もない土地に行く場合は、案内役や繋いでくれる人が居てくれると、とっても心強いです。利害関係がない現地の人と「ぶっちゃけどうなの?住みやすいの?」みたいな話を聞けるチャンスは意外とありません。また、習慣や文化など長期滞在であれば触れるチャンスも増えます。空き家の情報やキーマンに繋がりやすくなるので、ふらっと行くよりも、誰か捕まえておいた方がいいと思います。

  9. 仕事に関連する情報
  10. 自分の仕事に関係する人や企業、団体、施設など、移住やサテライトオフィスを持った時に、情報収集や協力を得られる場所に顔を出しておくことも重要なので、事前に調べておく必要があると思います。アテンド可能ならお願いして、無理そうならメールや電話で期間中にアポイントとるなどして、現状を聞いてみるといいと思います。

  11. 自治体・行政・NPO
  12. 移住やサテライトオフィスを誘致している自治体は多く、窓口もあると思います。積極的じゃない自治体もありますが、自治体の協力が必要な時もあります。また、NPOも1つくらいは大体あります。恐らくアテンドしてくれるとしたら、自治体の担当者かNPOのケースが多いと思いますので、日程等が決まったら連絡を入れておくといいと思います。

 ということで、僕の場合はこうなりました。

  1. 体験用宿泊施設
  2. NPOが管理している「お試しハウス」を借りることになりました。
    1万円/週 + 1,000円(布団代)

  3. 宿泊設備
  4. 食器のほか、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、レンジ、TV、エアコンなど家電は揃っています。
    電気、ガスはプロパン、風呂は灯油、水道は川の水が蛇口から出ます。飲み水は湧き水を汲んで来られるとか。
    インターネットも有線が出ています。
    アメニティは無いので持参します。

  5. アクセス
  6. 阿波踊り空港からリムジンバスで徳島駅(30分)
    徳島駅から神山町まで約1時間(車だったら40分くらいとか)

    町内は車がないととても移動できないとのことですが、車を用意できないので、NPOのご厚意で自転車を借りることになりました。
    みんなに貸しているのか不明です。

  7. アテンド
  8. NPOがすべてアテンドしてくれるようです。助かります。

  9. 仕事に関連する情報
  10. 神山町は、僕と同じ業界の方がたくさんサテライトオフィスや移住者でいらっしゃるので、紹介してくれるそうです。また、仕事は、コワーキングスペースでさせていただける様に1ヶ月契約しました。
    お試しハウスから自転車でコワーキングスペースまで通う日々になりそうです。

  11. 自治体・行政・NPO
  12. 神山町の委託を受けてNPOがほぼ全権を握ってる感じのようで、役場にお世話になることはなさそうです。NPOにおんぶにだっこですね。

 このようになりました。それでいつから行くかというと、

8月20日(火)から、とりあえず1ヶ月間

 都会の喧騒を離れて、山の中に篭ってきます。どんなところかワクワクしますが、実は今、丁度、NPOの代表と繋いでくれたウチのメンバーが里帰り中で、神山町に先乗りで見てきてくれるって言うのでお願いしています。
 徳島産でありながら、神山町を知らないということで、家族も見てみたいってことで家族で見学に行ってくれるそうです。それは助かる。

  ということで、いきなり途中のステップを飛び越えて体験するところまで来ちゃいましたね。

  1. 移住する地域を決める
  2. 自治体から情報収集する
  3. 移住地域やその周辺のクリエイターとSNSで繋がる
  4. 視察や体験移住する
  5. 知り得た情報の精査、検討
  6. 資金準備、移住時期の決定
  7. 改修や引越スケジュール
  8. クライアントやお仕事関係の調整

 さて、次回は、神山町の様子をご紹介できればと思います。お楽しみに。

「長期滞在視察 – 神山町篇 その1」というお話でした。

作成者: 木村 ロキ

女性制作ギルド 秘密結社 Qrious(キュリアス) ファウンダー兼プロデューサー 東京から瀬戸内の島に鵜住したことをきっかけに、クリエイターの働き方や人財育成、再生、地域でのクリエイティブやICTを活用したブランディングや地域創生、事業再生を得意としたプロデュースやディレクションで活躍中。メガネ&広島弁や伊予弁など方言女子が大好物。個人的には懐古的なモノがスキ。ネガティブ属性だがユーモアを忘れない。1970年 江戸下町産。

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