Satellite office research – TOKUSHIMA

Satellite office research - TOKUSHIMA

Satellite office research - TOKUSHIMA

長期滞在視察 – サイドストーリー

 9月後半に40日間の神山滞在を終えて東京に帰ってきました。神山町での体験は、想定内だった部分と想定外だった部分を浮き彫りにしてくれました。今後どうしたらサテライトオフィス開設が実現できるか、そのヒントを少しもらえたような気がします。また同時に、移住することの難しさも痛感し、コチラが望めば実現するものではないんだなぁということがハッキリわかりました。今回は、神山町滞在中にコッソリ行っていたサイドストーリーをご紹介します。

■ 徳島県の取り組み

 神山町滞在中の後半、日常生活も仕事環境も問題なく進められると確信したある日、コワーキングスペースに徳島県の職員の方が訪ねて来られてご挨拶させていただきました。話の中で、神山町の他にも移住やサテライトオフィスの誘致を行っている自治体がいくつかあるということで、早速、いくつかの自治体に問い合わせてみることにしました。

 問い合せしたのは徳島県内の4つの自治体です。

美馬市
つるぎ町
美波町
三好市

 問い合わせ内容としては、神山町で長期滞在したような体験視察の可否や移住に関する自治体の対応状況を知りたいので、神山町滞在中に日帰りでヒアリングさせてほしいというものです。東京から徳島まで1時間ちょっととは言え、仕事でもないのに、なかなかふらっと視察って言うわけにはいかないので、日帰りである程度の情報を収集できれば、次の機会に長期体験視察ができるかもしれないという目論見が立つので、NPOや徳島県の職員に各自治体の窓口を聞いて、問い合わせてみたのですが…結果はこうです。

美馬市 - 回答なし
つるぎ町 - 回答なし
美波町 - サテライトオフィスや移住者を受け入れる準備が整っていないので、来るなら勝手にどうぞ
三好市 - 神山町ほど整っていないが、積極的に取り組んでいるので、是非一度いらしてください

 自治体の体質によるものなのか、担当者の対応に依存するのかわかりませんが、自治体によって相当温度差があります。結局、4つの自治体のうち、積極対応していただけたのは三好市のみ。三好市はレスポンスも早く、対応も的確だったので、早速、滞在中に三好市に伺うことにしました。

 地図で見ると神山から左方向、車で1時間ちょっとって聞いてたんですが、同じ県内と思って舐めてました。何と、左方向に行く交通機関がないではありませんかorz
徳島駅に一旦出て、徳島駅から阿波池田まで汽車で1時間ちょっとでした。ちなみに徳島は電車ではなくて汽車なので、電車って言うと訂正されます。正直どっちでもいいんですけど…

■ 三好市にて

 三好市でアテンドしてくれるのは三好市の職員さん(ここでも個人名は無許可なので控えます)と、サテライトオフィスの誘致を委託しているNPOの担当者さんがお迎えに来てくれました。

 三好市は四国のほぼ中央に位置していて、神山町と比べると相当開けた町です。こじんまりとした地方都市って感じです。車で少し走ると、大歩危小歩危、祖谷のかずら橋、妖怪屋敷などの観光スポットや、その昔たばこ産業で栄えたうだつの町並みという通りが話題で、今回アテンドしてくれるNPOが、その旧家が立ち並ぶ町並み保存のために尽力しているようです。

 着いてすぐ、うどんのおいしい店に連れて行っていただき腹ごしらえし、先ほどの観光スポットなどを回りました。阿波池田から1、2時間車で山道を県境の方に進んだところに観光スポットがありますが、その周辺は限界集落で冬は雪深い地域だそうです。自然な環境は神山とはまた違った感じでとてもいい雰囲気なのですが、相当過酷で日常生活をする自信が正直ありません。

 街に戻ってきて、まだ帰る時間まで余裕があったので、旧廃校の小学校があるというので見せていただきました。阿波池田駅から少し登ったところに池田ダムがあり、そのダムを挟んだ奥の山の中腹に小学校があります。ここも高台で目の前に遮るものがなく、見晴らしもよく、車があれば街までそれほど遠くもないので、山であってもこっちの山は住みやすそうに感じました。

 三好市には旧廃校の校舎が20校もあるという話で、こういった施設もサテライトオフィスなどで遣ってもらうことも可能ということでしたが、1社でこのスペースを有効活用するにはちょっと広すぎますよね。ランニングコストも心配。ジョイントでプロジェクトを組んでってことなら可能かもしれません。

 今回は、時間の制約もあり、三好市がどんなところか、自治体としてどのくらい本気かとか、サポートするNPOや団体が存在するかなどを知ることが訪問の目的だったので、一応目的は達成しました。また、神山町よりも三好市の方が、物件探しという面では早く見つかるような印象を受けましたので、時機を見て、長期体験視察をしたいということを伝えて、神山町に戻ることにしました。

 19時過ぎに神山町方面のバスが最終なので、長居できなかったんですよね。車が必要。

■ まとめ

 自治体の対応、特にファーストインプレッションは非常に重要です。移住やサテライトオフィスの開設に協力的でなければ、そういう地域は住みにくいでしょうし、協力も期待できません。つまり、歓迎されていないのと同じこと。ホームページには移住に関する情報を載せておきながら、実際問い合わせてみたら、体制が出来ていない、担当者が居ないなどと言ってる自治体は致命的です。自治体によって温度差があるようなので、候補地選びは事前に問い合せしてから決めた方がいいかもしれませんね。

 三好市については、古い街並みが残る池田周辺と自然を満喫できる山と自然が共存する面白い街で、車があれば香川へも愛媛へも、高知へも同じくらいの時間で出られる交通の便の良さがあります。

 とは言え、現状で神山町の様な長期滞在できる仕組みがないとのことなので、短期で再度、視察に来るか、市の担当者も滞在できるように考えてみますって言ってくれてるので、少し期待しつつ、次回の訪問を楽しみに待つことにしましょう。

 徳島への視察については、これで一旦終わりです。また、視察や情報が更新できるようになったら、お話しさせていただきます。もし四国や徳島に移住を同じように検討してる方がいらっしゃいましたら、情報交換しましょう。それでは、また。

「長期滞在視察 – サイドストーリー」というお話でした。

作成者: 木村 ロキ

女性制作ギルド 秘密結社 Qrious(キュリアス) ファウンダー兼プロデューサー 東京から瀬戸内の島に鵜住したことをきっかけに、クリエイターの働き方や人財育成、再生、地域でのクリエイティブやICTを活用したブランディングや地域創生、事業再生を得意としたプロデュースやディレクションで活躍中。メガネ&広島弁や伊予弁など方言女子が大好物。個人的には懐古的なモノがスキ。ネガティブ属性だがユーモアを忘れない。1970年 江戸下町産。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください